2006.03.25 Saturday
現実の世界
それは、阪神震災の後だった。
震災の後、復興需要という物がビジネスの中で発生し、 そこには、被災者の為という大義名分の中、魑魅魍魎の世界があった。 当時の私は、その魑魅魍魎の世界に入っていた事は間違いない。 本音と建前が顕著に存在した世界でもあった。 私は喜んでその世界に飛び込んだ訳ではなかった。 それには色々な事情が複雑に絡みあっていて、 そして、私を引きずり込んだ人もいた。 引きずり込まれた世界で、必死にあがくしか、当時の私には生きる道が残されていなかった。 その世界には、仲間も居た。 一年間、休みも無かった。 仕事は2年が繁忙が続き、そしてその仕事は5年後には無くなった。 仲間は、同じ会社の人間ではない。 零細企業の人達だった。生きる為、生存する為に仕事を求めていた。 過酷な労働、そして、理不尽な要求にも耐えた。 そして、大きな利益が出た訳ではない。収支決算を行うと赤字だったと思う。 発注元から、何社も中間業者が存在し(その理由もあった)、下請け、いや曾孫請けの会社はつらいものであった。 そして、一昨日その仲間の一人が会社を訪ねてきた。 理由は・・・「廃業」 倒産という最悪の結末を避ける為に・・ 残された社員は10名程、名前も顔も一致する。 新たな仕事は見つかってない。 私には助ける事も、なにもする事も出来ない。 悲しかった。つらかった。涙が出た。 |